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2016/01/24

ミャンマー旅行記



ミャンマー旅行記

2015/12/28 --- 2016/01/02



やや、長いです。





















祈りの国、ミャンマーへ行ってきた。


「地球の歩き方」ではなく「'scapes」をガイドブックとして。




この国のことを、好きになるのに5秒もかからなかった。


5秒は嘘。1日。




ミャンマーは


純粋な動物的な部分と 優しい人間的な部分を

天気の良く晴れた日の午後で漉したような


美しく素敵な人々で溢れかえっていて

賑やかで活気があり平和な国だと感じた。



比較的栄えていて何でもある都市部のヤンゴンも楽しいが


母国語であるビルマ(ミャンマー)語でさえも

アクセントひとつ間違えると

会話にならないローカルの村の方が、よく印象に残っている。








日本でいうところの誕生日はdateだが、ミャンマー(ビルマ歴)では生まれた曜日が
大切に扱われている。

自分の生まれた曜日を母親に訊いたところ、水曜日の午前中らしい。

守護動物は牙のあるゾウ。

ヤンゴンに滞在して何日目かに路上のマーケットで購入したタイパン
その布の柄をよく見ると偶然にも牙のあるゾウの絵柄だった。

縁起の良い偶然。



ちなみにその他の曜日の良いとされる方角・星・守護動物は


日曜日・・・太陽 / 北東 / ガルーダ(神話の鳥)

月曜日・・・月 / 東 / トラ

火曜日・・・火星 / 南東 / ライオン

水曜日(午前)・・・水星 / 南 / 牙のあるゾウ

水曜日(午後)・・・ラウ(架空 )/ 北西 / 牙のないゾウ

木曜日・・・木星 / 西 / ネズミ

金曜日・・・金星 / 北 / モグラ

土曜日・・・土星 / 南西 / ナーガ(竜)

(参考・・・ 'scape 創刊号 no.1 P44)










良い匂いのするこの国。

道でも寺院でも良い匂いのするこの街。

人からも感じる優しい匂い。

匂いの発端がわからない。





匂いを持って帰りたい。大阪のタイ古式マッサージの店と似た香りがする。

単純に東南アジアの洗濯洗剤の匂いなのか。。











湖の上がそのまま寺院であるイェレーパヤー(水上寺院)






















ダラ~ヤンゴン間を結ぶフェリー
























Yangon central station ~ YEGU central station








ホームからホームまでは歩道橋みたいのながあるけど現地の人は使わない。

降りたホームを降りて 線路の上を歩いて 反対側のホームまで歩く。





切符の買い方がわからなかった。

現地人のように線路の上を歩いてホームからホームを渡っては

切符を求めた。




無理問答を繰り返してるうちに、自分の目的地の駅がイェグーという発音だと学習した。



「イェグー何某、何某イェグー」 と言って札束を渡し、

お釣りをうけとったまではまだよかったが

肝心の乗り場と、進行方向がわからかった。





駅員に教えられ、列車に乗り込んだ。


駅の看板はがミャンマー語表記とアルファベット表記があるが

ミャンマー語表記では、ただの可愛い絵文字にしか見えない。

車内アナウンスも(あってもわからないが)

もちろん車内にデジタル掲示板もないので

降りる駅であるイェグーと確認するには

止まった駅の看板を見つけ、看板の絵柄から駅名を紐解き

列車のドアが開いている間に

すかさず飛び降りるしかなかった。





でも無謀だと判断し、あと何駅後に着くか心構えをするために

乗車客に教えてもらった。




その駅まではまだ数駅あったのでゆっくり座席に座ってた。


2駅前くらいにそろそろだと思い、

席をたちドア付近まで行くとちょうど駅長室から人が出てきて

「どこまで行く?」

と尋ねてきたので

「イェグー」と答えた。


駅員さん顔をしかめ

「そら大変だ。イェグーはとうの昔に通り過ぎてる」


と言った。



驚きと落胆でその場にへたりこんだ。



ヤンゴン環状線1周は3時間かかる。

まだ折り返し地点にも着いてないので

あと約2時間弱も乗りっぱなしで乗った駅まで戻るのか。


しかも目的地には着けずに。


とテンションは下がったが、肩の力も抜けた。





することもないので車窓から景色を眺めてた。


しかしそれが予想以上にいい時間だった。


日も暮れてきて、夜風が涼しく気持ちよかった。


車窓から眺めるヤンゴンの村や道は 心落ち着かせてくれるものだった。




子供たちが元気にボール遊びをしていた。


線路の上にボールが転がっても列車も子供もあせらない




列車の1番うしろの車両の駅長室のドアは外に向かって開いている。

開いたドアから、乗客が、降りた友人と叫びあって会話している。


電車は走り出すので、距離がひらく。


降りた友人はきこえないのか会話が続いているのか

叫びながら、走り出す列車を追ってくる。


列車側の友人は体をギリギリまで外に出して叫びかえしている。


明日の約束でもしてるのか。


仲が良さそうな若者2人だった。








駅と駅との間のなにもない線路の脇や草むらの中で友達同士やカップルがたくさんいた。



列車の光に照らされて、その瞬間だけかろうじて見える

何もない暗い場所で煙草を吸ったり、お話をしている。



列車が走り去ったあとは、本当に真っ暗だろう。



煙草を吸い込んだ方の煙草の先が蛍のように点々と光るだけ。




その光景が今日たまたまでなくて

ヤンゴン環状線の夜の車窓からは

毎日の景色なんだと思うと羨ましかった。




やんちゃそうな子や若い男女が多かったが

ノーティーな雰囲気はなく、純粋な青春ムービーのようで

好感を抱く眺めだった。




目的地には辿り着けずに

環状線をグルっと一周しただけで一日は終わってしまったが

これは、これで有りかなと思った。




見れた景色がそう思わせてくれた。



















イエグー YEGU















イエグーでローカル散策していると、

お店か民家かわからないけど、とある一角で、扇子が壁に数枚掛けられていた。

その中の紫色の団扇に一目ぼれしたので購入の腹を決めて家の中に入った。


中に年齢不詳のご主人がいたけど会話がスタートしなかったので、こちらから切り込んだ。


ミャンマー語と英語と日本語を織り交ぜながら

「そこに飾っている団扇いくらですか?」と、その扇子を指さしてきいた。




すると

「なぜだ?」 と、問われた。



予想外の返答に慌ててしまい、元々グダグダだった言語が更に崩れてしまい

それに対しての返答がしどろもどろになってしまった。



続けて

「なぜ、この団扇なんだ?お前はいったいこの団扇を何に使うんだ?」

とご主人。


完全に怪しまれていた。





でも扇子がほしかったので、負けじと答えた。


「こう上下に動かして風を起こします。」

「涼しくなるためです。」

「このデザインが好きです。」

と、頑張って説明した。




この蒸し暑い国の場末の場末の民家。

団扇という概念がないかもしれなかった。

もはや団扇じゃないかもしれない、と思った。

すごく失礼な事、無礼な事を言ってしまったかも知れない、と思った。



ご主人に少しの間があった。

考えているのかもしれない。


「お前はどこから来たんだ?」

と、訊かれた。



「日本」と答えた。




ご主人の表情は変わらず固く重い。


うしろには小さい子供と内職をしているのは奥さんか。

家族は守る。家の団扇も守る。

この村を、この国を

大きなものを背中に背負っているような凄みを感じるが

威圧感というよりドッシリとした落ち着きを感じるご主人。

ぶれない幹の太い菩提樹のような方だ。




ご主人が口をひらく。

でも今までとの会話とはうって変わり饒舌になり

聞き取れずに、意味も拾えない。



饒舌さと目の光り方が増し

ローカル特有のアクの強いミャンマー語で3分くらいの間

ご主人が真剣に語りだした。

(この間、黙って聞いている事しか自分には出来ないが、
誠実さだけでもアピールしようと目を逸らさないように心がけた)



ご主人の饒舌唱和が途切れ、

心を見透かされるように目の奥をじっと見つめられた。



最終チェックかもしれない。




そして、しばしの沈黙があった。



ご主人が口をひらく。


「これはあげる。プレゼントだ。」 と。




この一連のやりとりは10分くらいだったが、

途中から、神妙な儀式のようだった。





タダより高価なものはない。




大事にしようと思った。













玄関の入口で3人で座って一服してるおばさんたちがいた。





そのおばさんたちが醸し出す雰囲気が異様にかっこよくて

2~3回その前を往復した。




手招きされたので 近づき、横に座った。

3人のおばさんで定員ギリギリの玄関に僕が割り込み

きゅうきゅうだった。



誰も喋らなかった。




カタコトのミャンマー語が全然通じなくて

笑うか、目を合わすか逸らすしかできなかった。笑




その中の1番皺の濃い女性だけ煙草を吸っていた。


自分で巻いたであろうその太い葉巻を美味しそうに。




手渡されたので僕も頂こうとしたけど

太さや葉の詰まりに対して深く吸い込みすぎて



喉が熱くなり、脳がクラっと揺れた。

そしてゲホゲホむせた。




喉が終わったと思うほどヘビーだった。







おばさんたちの輪が居心地よくて座ってたら

結果、帰りの列車を乗り損ねた。






異国の地で、決まった時間に予定通りの列車に乗ることは

なかなか難しい。






イェグー版 ご近所物語は

スロウでメロウだった。




















シュエダゴンパゴダ SHWE DAGON PAGODA










あまり聞こえの良い表現ではないけれど、足元ばかり見ていた。








この寺院、滞在中3回も行くという病的なハマり具合い。


















ヤンゴンの路上や街並み




























SULE PAGODA (YANGON)

スーレーパゴダ

















この国の宗教心は強い。



遊び盛りに見えるキャピキャピしたグロッシーな若者も、




大切な家族のため、 自分の将来のため、




朝っぱらから、夕方から



ひっきりなしに祈っている。







そんな純粋な心を持ちながら


歴史を尊い、伝統衣装を着こなすミャンマーの人々は



どこからどう見てもキラキラしている。




















ミャンマーの地から離れる最後の時間は泊まったホテル近くの夜のマーケットを散歩した。

人が多い露店の並んだ賑やかな通りも楽しいけど、自分が腰をおろすのはいつも街灯のない名もなき路地裏の道端だった。












家の民家や寝てる人や遊ぶ子供がいる路上の隅に座って

しばらくのあいだミャンマーの「平日の夜」を眺めていた。



旅行のハイライトはいつもこうゆう時間だ。






自分の心が溶けていくのが手にとるようにわかる。


こうゆう時間が、

いつのまにか溜まった心の埃を

きれいに拭い去ってくれる。











日本に帰ってきてから何人かに現地で撮影したこれらの写真を見せた。
するとある人が、この上の写真を見て言った。

「この二人、いったいなにを見ているんでしょう」





穏やかで、優しいコメントだと思った。



単純な響きにも受け取れるけど、そのときの自分は

旅の直後だったからか、



そのセリフを音声できいたのではく

メールで見たからか



そのコメントが心の奥深くに 途方もないほど静かに すーっと落ちてきた。




周りの雑音がシャットアウトされ

しばらくの間、スマホの画面から顔をあげ

返信せず ぼーっとしていた






情緒不安定ならぬ旅情不安定とでもいうのだろうか。


帰国したての余韻醒めやまぬ数日間は、思考や感情が普段よりも柔らかすぎて

ある意味、疲れる。笑




ただの風景写真や記念写真よりも

何か感じた瞬間に撮りたい。



自分の眼がレンズで、マバタキひとつでシャッターを押せたらいいのだけれど

気づいたときには、大体遅い。



ミャンマーのユニセックスな伝統衣装のロンジーも


胸打つほど色使いの可愛い柄のロンジーに

奥ゆかしく崇高な模様に見惚れたロンジーに


ロンジー縛りでも かなりのシャッター欲はあったけど



颯爽と歩くたびに風に舞いひらひらと動く模様や柄の陰影に見惚れ

立ち尽くしたまま、目で追うのがやっとで

実際は写真どころではない




大体こんなかんじで本気で「ハッ」とした瞬間は

写真を撮ろうなんて冷静な判断が出来ず、

ただ立ち尽くしたり、小声が漏れるだけで終わってしまう。



そしてあとになってから きまって


大事な場面を写真に収められなかった自分の無力さと 後悔の念が徐々に襲ってくる。





でも、

と自分に言い聞かせる。



大事な場面は目に焼き付けるものだ、とか

あの場でカメラをとり出すのはムードを壊す下品な行為だったはずだ、とか

どのみち、ベストなタイミングは逃してただろう、とか

自分赦しを始める。



そんな自分である。ずっと。ブレずに。




話をまとめると、

自分の撮った写真に少なからずなにか感じてくれたようで嬉しい。















「自分の体は神様からの借り物だから

ときには自分の体にご褒美をあげないといけないよ」 と言われたことがある。



車がガソリンをいれないと壊れるように


ときには、普段がんばってくれている自分の体に対して

魂が喜ぶような体験なり栄養なるものを与えないと壊れちゃうよ、と




その話に沿って考えると

魂は意気揚々としていました。



特に、シュエダゴンパゴダでは、生まれた実家に帰ったように養生してました。笑




パックツアーなどでは必ず組み込まれると言っていいほど定番スポットだと思いますが

ヤンゴンに行かれた方は是非、行ってみて下さい。

(大概、いや絶対 行くとは思いますが。笑)




今回泊まったヤンゴンセントラルホテルは、ヤンゴン駅にも

シュエダゴンパゴダにもスーレーパゴダにも歩いていけてとても便利。


ホテルの7階に「Level 7」というマッサージサロンもありました。


ミャンマーマッサージの強度はややハード。


* タイ式 < ⁑ ミャンマー式 < ⁂ 台湾式



鼻歌を歌いながら、強烈にからだをほぐしてくれます。


鼻歌というか 歌でしたが。笑


それも大切な旅のハイライトの一片です。


イメージは高木正勝の「Watch The World」がしっくりきます。




この曲を聴いてたら、そのときの光景が目に浮かびます。


とても透き通った声で 気持ちよさそうに歌ってました。








この地で見つけた心の避暑地は いつも 誰にでもヒラいていて、

果てしなく寛大で、優しかった。



世界の中心と思えた。




今後の人生において どんなタイミングだろうと


どんな自分だったとしても 無条件で受け入れてくれるだろう




辛い時期だったり、人生の大事な分岐点に立った時には

またこの地の自分のパワースポットに帰ってこよう、と思った。